教師の兵法　その４０
「本時の目標を達成する」

子どもから授業が、「面白い」、「楽しい」などと言われると、教師はうれしいものです。私も授業が盛り上がると、次の時間はもっと子どもの興味を掻き立てようと努力しました。

ある時、楽しく授業ができているのにもかかわらず、復習テストや家庭学習を見ると子どもたちの理解が今ひとつであることに気づきました。工夫した教材を作った、教師の話も楽しそうに聞いていた、意見も活発だったなど、授業に手ごたえを感じていたのでショックでした。

授業案を見直したり、子どもたちにその時の授業のことを聞いたりしてわかったのですが、授業を面白くしようとするあまり、その時間で一番理解してほしいことが何なのかよくわからなくなってしまったようです。つまり、「本時の目標」が達成できていなかったということです。

これではダメだと思い、授業を次のような流れで行うとともに、子どもたちにもそれを説明しました。
①前時の復習（小テスト等）
②授業の始めに本時の目標を確認
　黒板にきちんと板書して説明する。
③授業の流れを説明
　その時間に行うことや流れを簡単に説明する。
④授業
　授業の中で本時の目標を意識させる。
⑤振り返り
　本時の目標やわかったこと、反省などを書かせる。
⑥授業の終わりに本時の目標を確認
　本時の目標をみんなで確認する。
以上のことを授業の基本的な流れとして繰り返していくうちに、子どもたちは授業で今何をやっているのか、この授業で学ぶべきことは何かということがわかりやすくなったようでした。

本時の目標を達成することは当たり前のことですが、当たり前のことを子どもたちにしっかりと説明して確認しながら授業をすることは、学習内容の定着に効果的です。