教師の兵法　その１7
「あいさつは学校全体で取り組む」

子どもたちのあいさつが飛び交う学校は、間違いなくいい学校になります。民間の会社でも、社内で気持ちの良いあいさつをするよう取り組むことで利益や成果を上げているという事例を聞いたことがあります。
つまり、とりあえずあいさつができるようにすれば、学校は明るく元気になっていくのです。あいさつには物事をプラスに変える大きなエネルギーがあるのです。

ただしあなたがひとりであいさつをがんばるのではなく、あなたのクラスや関わっている子どもたちだけががんばるのでもなく、学校全体で取り組むということが絶対条件です。すべての先生が、例外なく子どもたちに対して、さらに先生同士でも積極的にあいさつをしなければ意味がありません。その様子を見ている子どもたちは、必ずあいさつをするようになり、それがよりよい学校文化へとつながります。

ここで私たち教師が気をつけなければいけないのは、時と場所によっていろいろなあいさつがあるということです。

「あいさつのしかた」として、頭の下げ方や声の出し方などに力を入れる先生がいます。儀式の時などはそれでもよいと思いますが、習慣や文化につながるあいさつを身につけさせるためには、あいさつの意味を教えなくてはいけません。そのためには子どもたちに、朝学校に来た時、授業の前、廊下ですれ違った時、帰る時など、さまざまな場に応じたあいさつを交わすことが、人と人とのつながりをよりよくすることを教えることが必要です。

あいさつの形にこだわるのではなく、時と場所によっていろいろなあいさつがあるということを教えるのです。先生方がいろいろな場面でそれぞれの立場であいさつをしている姿を見せることで、子どもたちは自分が大人になった時に、どの場面でどの先生のあいさつをすればもっとも良いかを考え選択するようになればよいのです。

教師は、子どもたちの教育をとおしてよりよい文化の創造を目指さなくてはなりません。教師がたくさんの見本を見せ、それを子どもたちが取捨選択して身につけていくことで、よりよい文化へつながっていくと思います。