教師の兵法　その１８
「あいさつは目を合わせる」

子どもたちのあいさつが活発ではない学校は、特に着任したばかりの頃などは、こちらからあいさつをしてもまるでそこに私がいないかのように無視して素通りする子どもがほとんどでした。そのような学校では子どもも教師も、お互いや来校者などに対してあいさつをすることが少なく、どこか閉塞感と教育活動の停滞感を感じたものです。

あいさつをする子どもを育てるためにしたことは２つ。一つ目は、教師から積極的にあいさつをするということです。これは当たり前のことですが、子どもに教えたいことはどんなことでも教師が見本を示さなければ子どもは学ぼうとしません。子どもに対してはもちろんのこと、同僚の教師に対しても明るく元気にあいさつをするようにしました。

二つ目は、あいさつをする時に子どもと目を合わせるということです。あいさつをする時は相手の顔を見ると思いますが、その時に顔を見るだけではなく意識して目を合わせるようにしてあいさつをすると、ほとんどの子どもがあいさつを返してくれます。そして一度そのようなあいさつを交わした子どもは、次に会った時には子どものほうからあいさつをしてくれることが多かったです。

授業も給食も行事も部活動も、学校で行われるすべての教育活動があいさつで始まりあいさつで終わります。ですから、あいさつがよい学校では必ず子どもはよりよく成長します。 あいさつをよくすることに取り組んだら、学校に出入りしている業者の方や来校者に最近の学校の様子はどうかと尋ねてみるのです。そのような人たちが、「前よりあいさつがよくなった」と感じていれば、確実に学校はよい方向に進んでいるはずです。