教師の兵法　その２５
「目で聞くことを教える」

教師は授業や学活で子どもたちに話をする内容を、どうすれば子どもたちにわかりやすく伝えることができるか一生懸命考えて準備をします。しっかりと聞いてほしいのですが、はじめのうちはなかなかうまくいかないものです。しかし子どもたちに話をしっかりと聞く態度をつけておかないと、どんなに大事な話でも落ち着いて聞くことができなくなってしまいます。

そのため私はできるだけ早い時期に学活や授業などで、次のように話は耳だけではなく目でも聞くほうがよりわかるということを子どもたちに教えるようにしました。これは私が先輩教師から教わった方法です。

（教師）　話を聞くときは、耳だけではなく目も使う方がよくわかるということを皆さんに教えたいと思います。まず目をつむってください。
※子どもたちに目をつむらせ、短くてわかりやすい言葉（例えば「おはよう」など）を声を出さずに口だけ動かす。

（教師）　目を開けてください。先生は今何と言いましたか？
※子どもたちは誰も答えられないでしょう。

（教師）　では次は目を開けたままで、先生が何というか当ててください。
※先ほどと同じように、短くてわかりやすい言葉を声を出さずに口だけ動かす。

（教師）　何と言ったかわかりますか？
※今度はほとんどの子どもが答えることができます。

（教師）　話を聞くときは、耳だけではなく目も使うことで内容がよくわかるのです。耳や目だけなく体全部を使って聞こうとすると、話す人が何を言いたいのかとてもよくわかるようになります。ですから先生が話をする時は、こちらをしっかりと見て集中して聞くようにしてください。

以上のような方法です。 時間にするとわずか５分程度の内容ですが、多くの子どもたちにとても効果がありました。皆さんもぜひ試してみてください。