教師の兵法　その４６
「気配りと気遣いを心がける」

私は、長い教員生活を通して、教師にとって子どもを指導する上で必要なものは、「気配り」と「気遣い」だと思うようになりました。

「気配り」と「気遣い」についてインターネットなどで調べるといろいろ出てきますが、その中のひとつに、「気配り」は複数の相手が求めていることを察して前もって行動すること、「気遣い」は一人の相手に対して失礼のないようにあれこれと気にかけることというものがありました。

私たちは、学級などの集団を指導（支援）するための「気配り」と、子ども個人を指導（支援）するための「気遣い」を日々繰り返し行っています。

集団でも個人でも、子どもを指導（支援）するのに大切なことは、子どもの状況をきちんと把握したうえで、「どのような指導をすることが、この子どもをよりよく成長させるか」という意識を常に持ち、具体的かつ伝わるよう、計画的に「気配り」や「気遣い」をしていくことです。

また、個人の指導の時に気を遣わなくてはいけないのは、相手が子どもであっても「失礼のないように」、つまり、できるだけプライドを傷つけないように指導しなくてはいけないということです。

毎日学校に来ている子ども達の多くは素直で子どもらしく、教師の指導をしっかりと受け止めてくれると思います。

しかし、素直に言うことをきくからといって上から目線で指導していると、子ども達は我々から離れていきます。

子どもたちが、真面目に普通に学校生活を送っていることほめるとともに、「君たちは、気配りや気遣いをするに値する子ども」であることを伝え、「失礼のないように」指導（支援）することを心がけてください。

日頃からそのように子ども達に接しておけば、例えばルールを守らず暴れるような子どもが現れても、他の子どもはあまり影響を受けないはずです。

注意しなければならないことは、「気配り」や「気遣い」と「気を使う」こととは違うということです。

「気を使う」というのは、どちらかというと相手のためではなく、自分をよく思ってもらおうなど、人に対して媚びるような感じになります。

子どもにはもっとも嫌われるものですので、お気をつけください。