教師は、日々の教育をとおして子どもたちに厳しい社会を生き抜くために必要な学力や人間性、健康・体力などの生きる力を育成する。それらの力を共通して支えているものは、思い出である。
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学力、協力の大切さ、思いやり、人とのかかわり方など、子どもたちが学校生活をとおして身に付けるものはたくさんあります。
学校教育をとおして成長するということは、学力をはじめとして、人とのかかわり方や生活上の諸問題への対応力など、社会の様々な場面で役立つ力を身に付けることです。
そして、子どもたちが学校教育をとおして身に付ける力はすべて、学校生活の思い出に支えられていると思います。
よい思い出は、希望や自信となって人生を前に進んでいくための力になります。
苦い思い出は、よい経験となって人生の苦しい場面で自分を支えてくれるのです。
私は、教師の仕事のもっとも重要なことは、子どもたちに思い出を作ることだと思っています。
思い出は一瞬一瞬の積み重ねです。授業、休み時間、放課後など学校でおきるすべての出来事は、教師にとっては毎年似たようなことの繰り返しでも、子どもたちにとっては二度とない貴重な瞬間です。
その瞬間の教師の言葉や行動が、子どもたちの思い出となり、それが蓄積されて子どもたちの人生を支える力になると考えれば、教師は子どもたちへの言葉かけや働きかけに誠意や責任感を持って努力すべきなのです。