自分の理想を実現するためではなく、学校の理想を実現することを第一に目指す。自分の教育活動は、学校教育目標や学校経営方針を根拠にし、紐づいていることを意識する。それが、自分の理想を実現することや自分を守ることにつながる。
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教師を志す人には、自分がかかわる子どもたちをこんな風に育てたいという理想があると思います。ただ、理想を実現するのは簡単なことではありません。
特に学校教育は、家庭との教育観や価値観の違いに大きく左右されるものです。保護者との行き違いが生じることも度々あるでしょう。そのような時は、迷わずあなた個人の価値観ではなく、学校体制として目指していると伝えるべきです。教師が個人として保護者と闘うか、学校として闘うかの分かれ目です。個人として闘って負けた場合は、その後の教師としての人生に何らかの悪影響を及ぼすでしょう。しかし、学校として闘って負けたとしても、教師自身の大きな痛手にはなりません。それどころか、管理職の責任と受け止められることもあります。この違いはとても大きいのです。
昔と違い、今の学校は組織体としての色合いが強くなっています。組織においては、活動するための目的や目標が示され、所属する者はそれに従って行動すべきです。学校では、学校教育目標や学校経営方針がそれにあたります。学校教育目標や学校経営方針を自分の教育活動に紐づけ、根拠を明確にできるようにしておくことは、ある意味縛られているように思うかもしれませんが、自分を守るためにも必要な兵法のひとつなのです。