教師の兵法　その３１
「学級経営は恋愛のようなものだと考える」

学級経営は、担任教師の思い通りにいかないことばかりです。私はいくつもの学級を担任するうちに、学級経営は恋愛と似ていると思うようになりました。そう思うようになってからは、思い通りにいかないことでも少しだけ楽しく思えるようになりました。

学級の１年間を考えてみると、教師にも子どもにも次のような気持ちの変化があると思います。

・１学期　相手に認められたい、受け入れてもらいたい
・２学期　慣れてきて相手の嫌なところが目に付く
・３学期　もう少し一緒にいたい、別れたくない

恋愛で言えば１学期は出会ったばかりの頃、２学期は倦怠期、３学期は別れといったところでしょうか。

出会ったばかりの頃は、相手によく思われようと頑張るものです。しかし時がたつにつれて、相手への思いやりや感謝の気持ちが薄れてしまいがちです。倦怠期をどのように過ごすかがその後の恋愛を左右するように、学級経営も２学期の過ごし方が重要です。

恋愛における倦怠期でも学級経営における２学期でも、やるべきことはただひとつ。相手を思う気持ちを伝え続けるということです。

朝の会、授業、清掃、帰りの会、部活動など、学校生活のあらゆる場面で、「このクラスを受け持ててよかった」、「君たちと出会えてよかった」という気持ちを伝えましょう。ある時はさりげなく、ある時は大げさに、そしてある時は真剣にと、様々な言葉や表情、態度を工夫して、子どもたちを思う気持ちを伝えるように努力するのです。

その工夫と努力は、かけがえのない思い出や学級経営の技術として教師を支える大きな力となっていきます。